千葉工務店のあゆみ

千葉工務店は地域に密着した住まいのプロとして、「心地よく、美しく、長持ちする家」を作るために日々努力を重ねている会社です。現在の千葉工務店がなぜ、今のような考えになったのか、どうしてこういった努力を重ねているのか、そのことをご理解いただくには先代からの千葉工務店の姿だけでなく、私、千葉弘幸の歴史も踏まえて皆さまにお伝えさせていただきたいと思います。

建築基準法等の法規を読み解く大切さを知る新社会人時代

大学を卒業後、小さな設計事務所に勤めました。そこでは住宅メーカーの確認申請を下ろすという事務的な仕事をしていました。そこで学んだことは、法令集をどう読み解くのかということです。実は建築基準法には明確な答えはないのです。しかも第一条には最低の基準であることと、国民の生命、健康および財産の保護を訴えているのです。※1(この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。)

学校で勉強しているときには気づけなかったただ難しいだけの法規が何のために、どんな歴史をへて現在の法規となったのかが見えてきました。しかしながらそれは確認申請を下ろすためのテクニックを学んだだけでした。

「家づくりとは、建築技術だけではなくそこに住む人の思いを形に変える仕事」

次に工務店に就職をし直し、現場で学ぶことを望み転職したのですが、前職の経験が活き、「法規にとても詳しい新人がしかも図面(間取り)を書くことができる」と評価され、営業と設計の両方をすることとなりました。しかしながら、現場を知らない人間である私は、先輩現場監督にいろいろな事を教わりながら、やっとの思いで施工図を作成していました。「これは所詮、机の上の技術だ」と感じ、当時勤めていた会社の社長に相談して現場監督をやらせていただくことになりました。これにより、現場監督としてお客様に接することで、「家づくりとは、建築技術だけではなくそこに住む人の思いを形に変える仕事だ」ということを実感できたのです。

建築素材への探求の始まり

お客様への思いを形に変えることを実践していくうちに、私はある素材と出会うのです。新建材と呼ばれる材料ではなく無垢の材料があることを知って驚きました。この頃は当たり前にビニールクロスに合板の床を住宅に施工していた時代です。左官の壁や無垢のフローリングなどは夢の世界の産物では?と思うほどでした。

そんな中、千葉工務店に入社となるのですが、そこでは当たり前のように無垢の床材・左官の壁を施工しており、「これは別世界か?」と思ったほどです。それは、お客様のご要望からだけでなく、私自身も気に入った自然素材を選択して使うことができる世界だったのです。しかし、そんな千葉工務店でも時代の波には勝てずにいました。当時社長だった父が大工に向かって「予算が多くなってしまうから施工時間をもう少し短縮できないのか?」といったところ「では無垢材を使わずに合板の簡単に施工できる床を張らせてくれ」と大工から返答がありました。そのため、リビングや寝室など、人が主にいる場所にはなるべく無垢材を利用し、その他の場所にはビニールクロスに合板の床を張っていました。そんな中、自然素材を使うことができる嬉しさに浸っている私は、次から次へとビニールクロスと合板の床材を排除していく提案と施工を続けていきました。そうこうしているうちに、内装は自然素材の空間を作りあげていくことができたのです。

国産材への思い「日本の木造建築の原点は林業にあり」

そこまで来たときに、構造材である山の木を見に行くことになりました。住宅を建てる作業もかなり時間のかかる仕事だと、他にはこんなに時間かけてする仕事は農作業(お米)ぐらいだろうと思っていました。そんなことはないどころか自分の仕事の結果を見ることもできない仕事があったのです。そう林業です。木造住宅を作る限り当たり前にそこにある物の一つだった柱などの構造材ですが、それこそスーパーで野菜を買う感覚で発注をしていました。その柱が施工現場に届くまでには驚くほどの時間と工程を経てやってきたのです。そのすごさに感動して、一度「柱の来た道」なるイベントを新宿のオゾンの展示スペースを2ヶ月借りて行ったほどです。林業のすごさと日本の森の大切さを改めて感じ取り、国産材のみで家づくりができないかと考え実行してきました。

強くて長持ちする美しい家は構造設計が全て

ここでまた木造住宅を造り続けるのに必要な木構造にも注目しました。地震大国日本で国産材を使い強くて長持ちする家を作る事を考え実行していくのです。私の構造の師匠は、山辺構造設計の山辺先生です。この先生に会わなければおそらく木構造を理解することはできなかったと思います。構造設計というがちがちの理系話が実はその読み解き方でいくらでも結末の変わる実は文系のような考え方を教えていただいたのです。自分で読み解きそして強くて美しい構造躯体を作る事に自信を持ちました。

「ビニールクロスと合板と外材を使わない家」

そこまで来ると外材を使わずに国産材のみで作る家はできないのか?とも考えるようになり壁の体力壁や水平構面に使われている構造用合板などにも注目をしました。その当時の合板には化学物質がたくさん含まれていることと不法な伐採を行われた国で生産されている可能性があることなど地球環境の事も考えて使用しないこととしました。そしてこのときに、「ビニールクロスと合板と外材を使わない家」というシンプルな答えを導き出すことができたのです。そのような家は実は、「心地よく、美しく、長持ちする家」でもあったのです。

体に優しいから省エネとパッシブデザインを活用のステップへ

現在では、これに省エネで快適な家を提案できるように努力をしています。それは見えない家での消費エネルギーを「見える化」することによって快適で省エネとは何か?をそこに暮らす人と共に考えていくことのできる提案であります。ちょっとの工夫で快適な暮らしをサポートできるパッシブデザインという考え方でより進化した家づくりを目指しています。

このような家づくりは人と地球の未来につながる家だと確信してみなさまに“家と暮らし”を提案していきます。

主な社歴

 1965年(昭和40年)10月 先代千葉弘により千葉工務店創業 

1981年(昭和56年)4月 朝日住まいづくり研究グループ「協同組合匠の会」入会 

1997年(平成9年)5月 初代自然回帰に家モデルハウスをオープン 

2002年(平成14年)6月 千葉弘幸代表取締役就任 

2003年(平成15年)5月 「チルチンびと地域主義工務店の会」入会 

2007年(平成19年)9月 第2代自然回帰の家モデルハウスをオープン 

2010年(平成22年)8月 第3代自然回帰の家モデルハウスをオープン 

2017年(平成23年)5月 川越自然の家工房 ショールームオープン 

2018年(平成30年)7月 ふじみ野市エコラボフェスタ参加(毎年参加)

 —主な受賞— 

2014年 (平成26年)10月 1985地域アドバイザー拠点認定 

一般社団法人 Forward to 1985energy life

2016年 (平成28年)5月 土佐材パートナー企業登録 

2021年 (令和3年)10月ウッドデザイン賞 奨励賞(審査委員長賞)受賞 

 —地域活動— 

・つむつむ選手権 (日本の森バイオマスネットワーク)

・ふじみ野市エコラボフェスタ参加(コロナ禍数年開催無し 参加開始時期不明)

・エコプロ参加(日本の森バイオマスネットワーク ふんわりネット 参加開始時期不明)

・SDGsエコフォーラムin埼玉 

・打ち水の環参加 (NPO法人環境ネットワーク埼玉)